口腔機能発達不全症

口腔機能発達不全症とは

お子さまに当てはまりませんか?

  • 食べるのに時間がかかる
  • よく食べこぼす
  • 噛まずに丸飲みしてしまう
  • 舌をうまく使えない(舌突出癖など)
  • 口をポカンと開けていることが多い
  • 発音が不明瞭
  • 咀嚼・嚥下が苦手
  • 指しゃぶりや口呼吸の癖が続いている

上記症状がお子さまに当てはまる場合、「口腔機能発達不全症」の可能性があります。
口腔機能発達不全症とは、食べる、話す、呼吸するなどの機能が十分に発達していない状態を指します。
原因として次のようなことが考えられます。

  • 離乳食の進め方の誤り
  • やわらかい食事ばかり
  • 運動不足・姿勢の悪さ
  • 生活リズムの乱れ
  • スマホやゲームによる会話不足
口腔機能発達不全
口腔機能発達不全症、放っておくとどうなるの?
  • 噛む力が弱いため、食べ物を細かく砕くことが難しく、胃腸に負担がかかりやすい
  • 発音が不明瞭なため、周囲の人とスムーズに意思疎通が難しい
  • 舌の使い方が不適切になり、歯並びに影響を与える

検査方法

検査は、問診・視診・機能評価を通じて診断します。

1問診(生活習慣の確認)

  • 食事の様子(よく噛んでいるか、飲み込みはスムーズか)
  • 発音の問題(発音しにくい音があるか)
  • 口呼吸の有無(口が常に開いていないか)
  • 指しゃぶりや舌の癖(舌を突き出すクセがあるか)
問診(生活習慣の確認)

2視診(口の中や顔の状態をチェック)

  • 歯並びや噛み合わせの状態
  • 舌の位置や動き(舌が正しく動かせているか)
  • 唇や頬の筋肉の発達具合
視診

3口腔機能の評価(具体的な検査)

  • 咀嚼(そしゃく)機能検査:ガムやせんべいを噛んで、噛む力や効率を評価
  • 嚥下(えんげ)機能検査:飲み込む動作のチェック
  • 発音テスト:正しい発音ができているか評価
  • 口唇閉鎖力測定:口を閉じる力を測る(口が開いたままの習慣がないか確認)
口腔機能の評価

口腔機能発達不全症は、放置すると食べる・話す機能の低下歯並びの問題につながるため、検査結果に応じて、生活習慣の指導、トレーニング、必要に応じた治療やリハビリを行っています。

予防方法

幼少期から適切な習慣を身につけることで予防が可能です。

歯並びや噛み合わせをチェックする(定期検診)

口腔機能発達不全症の早期発見・予防には、歯科医院での定期検診が重要となってきます。
特にお子さまの場合は、成長に合わせて適切な指導や治療が行われるためです。
歯並びや噛み合わせ、口周りの筋肉の状態を定期的にチェックすることにより、問題が見つかった際に早期に対応することができます。

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正しい姿勢を意識する

姿勢姿勢が悪いと食事や会話の際、舌や顎の位置がずれて咀嚼や発音に悪影響を与えることがあります。また、口周りの筋肉が正しく使われなくなるためうまく発達しない原因となり、特に前かがみの姿勢や猫背は口呼吸を助長し、口腔機能の低下を招く可能性が高いといわれています。
正しい姿勢とは、背筋をまっすぐに伸ばし、頭は前に突き出ないように注意して、顎を引いて耳が肩の上にくるように意識しましょう。

口呼吸ではなく鼻呼吸を意識する

子ども口呼吸お口ポカンになっていませんか?
鼻呼吸を習慣化するためには、舌を正しい位置へ置くことが大切です。
舌の正しい位置は上顎に軽く触れている状態で、この位置に舌を置いていれば口が自然に閉じるため鼻呼吸が促進されます。

バランスの良い食事

バランスのいい食事口腔機能の健全な発達には、栄養バランスの取れた食事が不可欠です。
特に成長期のお子さまは、カルシウムやビタミンD、タンパク質を十分に摂取しましょう。これらの栄養素は骨や歯の発育に必要で、不足すると発達不全のリスクが高まります。
また、咀嚼を促すために食物繊維を含む野菜や果物、適度な硬さがある食べ物も積極的に取り入れましょう。